脂肪吸引のダウンタイムの症状・経過は?早く治す過ごし方や後悔しない方法を解説
脂肪吸引は、皮下脂肪の物理的な除去により部分痩せできる痩身治療です。
しかし、ダウンタイムの症状や期間の長さを懸念して、施術をためらう方も少なくありません。
実際のところ、脂肪吸引によるダウンタイムではどのような症状が現れ、症状はどの程度の期間続くのか気になるでしょう。
そこで本記事では、脂肪吸引のダウンタイムで見られる症状と経過について紹介します。
あわせて、ダウンタイムの回復を早める方法や、脂肪吸引で失敗を避ける方法も取り上げます。
脂肪吸引によるダウンタイムの影響を軽減したい方は、ぜひ参考にしてください。
脂肪吸引の術後にダウンタイムが生じる理由
脂肪吸引とは、カニューレと呼ばれる吸引管を用いて皮下脂肪を除去する治療法です。
脂肪吸引では、二の腕や太ももなどの気になる部位の皮下脂肪をピンポイントで除去できるため、部分痩せが可能です。
しかし、施術後にダウンタイムがあることから、治療に踏み出せない方は多くいます。
ダウンタイムとは施術からの回復期間を指し、脂肪吸引ではダウンタイム中にむくみや腫れ、内出血などの症状が現れます。
まずは、脂肪吸引の施術後にダウンタイムが生じる理由を知りましょう。
周辺組織に負担がかかる
脂肪吸引でダウンタイムが生じるのは、皮下脂肪を除去した周辺組織がダメージを受けるためです。
脂肪吸引の手術では、周辺組織を傷つけないように細心の注意が払われます。
しかし、施術者が未熟でカニューレの扱いが荒かったり、施術時間が長引いたりすると、体への負担は大きくなります。
周辺組織への影響が大きいほど、ダウンタイムのむくみや腫れの程度も重くなり、回復までに時間を要するでしょう。
麻酔・止血剤が体内に残る
脂肪吸引の手術で使用する麻酔や止血剤が体内に残ると、むくみの原因になります。
麻酔や止血剤は、脂肪吸引の手術で痛みを抑えて出血を防ぐために必要なものです。
手術後に余分な麻酔や止血剤は排出されますが、すべてを取り除くことはできません。
そのため、体内に残った麻酔や止血剤によりむくみが生じてしまうでしょう。
脂肪吸引のダウンタイムの症状と経過
脂肪吸引によるダウンタイムは、施術した部位により症状や経過が異なります。
ここからは、脂肪吸引した部位別にダウンタイムで生じる症状と経過について紹介します。
お腹
お腹は施術範囲が広く、脂肪の吸引量がほかの部位よりも多いため、拘縮(こうしゅく)が起こりやすいとされています。
脂肪吸引をおこなうと、脂肪を除去した箇所に空洞が生じます。
拘縮は、空洞を埋めて組織を回復させようとする体の反応として起こる症状です。
具体的には、皮膚の表面が凸凹したり硬くなったりします。
患部を動かすと、つっぱったような感覚を覚えることもあります。
拘縮はお腹を脂肪吸引したときに、最後に現れる症状です。
お腹を脂肪吸引すると、多くのケースでまず内出血や腫れが見られ、これらの症状が1〜2週間程度で落ち着くと拘縮が現れます。
拘縮の期間には個人差があり、早い場合では施術から2か月程度で落ち着きますが、きれいな状態になるまで6か月程度かかることもあります。
太もも
太ももの脂肪吸引は、ほかの部位よりもダウンタイムが短い傾向があります。
施術後、1週間は内出血、1〜2週間は腫れやむくみの症状が現れますが、次第に治るでしょう。
太ももは脂肪吸引の範囲が広く、吸引する脂肪の量も多いため、拘縮が生じることがあります。
しかし太ももの拘縮は、多くのケースで施術後2〜3か月程度経つと治ります。
二の腕
二の腕は脂肪吸引の範囲や量が少ないため、ダウンタイムは短めです。
二の腕の脂肪吸引では施術後に腫れやむくみ、内出血が現れますが、1〜3週間程度で治ります。
その後、拘縮が現れることがあるものの、施術から2か月程度で症状は見られなくなるでしょう。
また、二の腕の脂肪吸引では患部にサポーターを巻いて固定するため、手の甲や指にむくみが生じることがあります。
このむくみはサポーターによる圧迫で生じており、固定を外すと改善されます。
顔
二の腕と同じように、顔も脂肪吸引する範囲や吸引量が少ないことから、ダウンタイムは短くなるでしょう。
施術後は腫れや内出血が見られますが、1週間程度で目立たなくなります。
その後はむくみが現れるものの、2週間から1か月程度で治るでしょう。
また、顔の脂肪吸引ではフェイスバンドやテーピングにより圧迫固定する場合があります。
固定が1日中必要なのは手術当日のみで、以降は自宅で過ごす際や就寝時の圧迫固定が推奨されています。
脂肪吸引のダウンタイムを早く治す過ごし方
脂肪吸引後のダウンタイムは避けられませんが、できる限り早く治ってほしいものです。
そこで、脂肪吸引によるダウンタイムをできる限り短くする過ごし方を紹介します。
圧迫着を着用する
施術後に圧迫着を着用すると、ダウンタイムの腫れやむくみ、内出血の症状を抑えられます。
脂肪吸引後に腫れやむくみ、内出血が生じるのは、脂肪を除去した空洞に麻酔や血液、リンパ液がたまるためです。
患部に圧をかけて空洞を塞ぐと、麻酔やリンパ液がたまりにくくなり、腫れやむくみなどの症状を抑えられるでしょう。
また患部の圧迫には、皮膚のたるみを防いで脂肪吸引の仕上がりを美しくする効果も期待できます。
脂肪吸引する部位のなかでも、二の腕はむくみが生じやすいため、圧迫着やサポーターの着用が推奨されます。
ただし、サイズが合っていない圧迫着を着用すると、かゆみが生じたり色素沈着を起こしたりしてダウンタイムが長引くかもしれません。
ダウンタイムの症状を緩和して回復を早めるために、圧迫着は適切なサイズを正しく着用するように気を付けましょう。
施術した箇所を冷やす
脂肪吸引した患部が腫れて熱を持っている場合は、冷却が有効です。
脂肪吸引による腫れは、脂肪を除去した箇所で炎症が起きていることが原因です。
そのため、患部を冷やすと炎症が抑えられて、腫れの症状が落ち着きます。
ただし冷やしすぎると血行が悪化し、回復が遅れるおそれがあります。
脂肪吸引による腫れを抑えるためには、水で濡らしたタオルを当てたり、保冷剤をタオルで包んだりしてやさしく冷やしましょう。
拘縮箇所をマッサージする
脂肪吸引の施術後に拘縮の症状が現れたら、マッサージをおこないましょう。
拘縮は手を施さなくても自然と解消されますが、症状が治るまで数か月ほどかかることがあります。
しかし患部をマッサージすると、拘縮からの回復が早くなります。
拘縮した箇所をマッサージする際は、適度に力を入れて皮膚の硬い部分をつぶすようにほぐしましょう。
皮膚がつっぱるように感じる箇所は、皮膚を伸ばすようにストレッチすると拘縮の解消につながります。
ただしマッサージの際に力を入れすぎると、施術した箇所を痛めるおそれがあるため、力加減に注意してください。
加えて、マッサージは腫れや内出血などの症状を悪化させる可能性もあります。
マッサージに取り組むのは、腫れや内出血などの症状が落ち着いてからにしましょう。
食事に気を配る
ダウンタイムの回復を早めるためには、栄養バランスのよい食事を摂ることが大切です。
そのうえで、カリウムや鉄分、亜鉛、ビタミン、たんぱく質を摂取するように意識しましょう。
カリウムはダウンタイムの症状であるむくみの解消に、鉄分は施術時の出血による貧血の予防に効果的です。
亜鉛には、炎症や傷の回復を早める働きがあります。
ビタミンは栄養素の代謝を助けて、ダウンタイムからのスムーズな回復を促します。
体の組織のもとであるたんぱく質も、施術からの回復には欠かせません。
一方で、ダウンタイム中に避けるべき食べ物があります。
辛くて刺激が強いもの、塩分が多いもの、添加物が多く含まれているものは、腫れやむくみ、内出血などの症状を助長させるおそれがあります。
ダウンタイムの回復を早めるなら、上記のものを食べるのはしばらくの間控えましょう。
漢方薬を服用する
漢方薬のなかには、ダウンタイムの症状緩和や回復促進に効果が期待できるものがあります。
漢方薬とは、生薬と呼ばれる草や木など自然由来の原料を活用して、体の治癒力を高めたり不調を解消したりする薬です。
漢方薬は複数の生薬を組み合わせて処方されるため、さまざまな症状に対応できることが特徴です。
漢方薬には、血行を促進してダウンタイム中の内出血を抑えたり、余分な水分を排出してむくみを解消したりするものがあります。
脂肪吸引をおこなうクリニックで処方できる場合もあるため、ダウンタイムの症状を早く治したいときは医師に相談してみましょう。
血行が促進される行動をしない
手術からしばらくの間は、血行を促進する行動を避けてください。
血行が促進されると、腫れが悪化したり傷口が開いたりするおそれがあります。
腫れの症状が落ち着くまでは、ジョギングやジムでのトレーニングなどの激しい運動を避けましょう。
施術直後の入浴は、湯船に浸かるのを避けてシャワー程度にとどめることがポイントです。
湯船に浸かると血行が促進されるため、抜糸をして腫れが引くまで我慢しましょう。
同様の理由で、サウナもしばらくは避けてください。
またアルコールには血流を促す作用があるため、飲酒も避けるべき行動のひとつとされています。
施術直後は血行が促進される行動を避けて過ごし、ダウンタイムの期間を長引かせないようにしましょう。
脂肪吸引で失敗しないためのクリニックの選び方
脂肪吸引を受けられるクリニックは数多くあります。
そのため、自身に合うクリニックの選び方がわからず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、脂肪吸引で失敗しないクリニックの選び方を紹介します。
医師の実績・症例数が多いか
クリニックを選ぶポイントのひとつは、医師の実績や症例数の多さです。
症例数、つまり手がけた手術件数の多さは経験値の高さにつながります。
そのため、症例数が多い医師は失敗するリスクが少ないと考えられるでしょう。
美容外科医の経験年数が長くても、脂肪吸引の実績が少ない医師もいます。
クリニックを選ぶ際は、医師が担当した脂肪吸引の症例数を確認しましょう。
負担軽減の工夫をしているか
脂肪吸引は体への負担が大きいため、施術において負担の軽減に努めているクリニックを選ぶことも大切です。
脂肪吸引にはいくつかの手法があり、自身に合うものを選ぶと体への負担を減らせます。
たとえば、シリンジ法はシリンジと呼ばれる注射器で少量ずつ皮下脂肪を取り除くため、周辺組織へのダメージが少ないとされています。
ベイザー脂肪吸引は、超音波で脂肪を液状にしてから除去する方法です。
体への負担を抑えながら、シリンジ法では難しい部分の皮下脂肪も除去できるとされています。
また、ダウンタイムの負担を軽減して回復を早めるためには、手術にかかる時間の短さも重要です。
施術後に残った麻酔の絞り出しや適切な圧迫固定も、ダウンタイムの負担軽減に効果が期待できます。
クリニックを選ぶ際は、負担が少ない手法を用意しているか、ダウンタイムの負担を和らげる工夫に取り組んでいるかもチェックしましょう。
口コミ・評判がよいか
実際に脂肪吸引の施術を受けた方の口コミは、クリニックを選ぶうえで参考になります。
口コミには、クリニックの公式サイトのみでは分からない、体験談や率直な評価が書き込まれています。
ただし、ひとつの口コミを鵜呑みにするのではなく、さまざまな意見を集めて総合的に判断することが大切です。
最終的にはクリニックのカウンセリングを受けて、施術内容や費用に納得できるか、信頼できる医師であるか、十分に検討しましょう。
脂肪吸引のダウンタイムに関するよくある質問
ここからは、脂肪吸引のダウンタイムについて寄せられることが多い質問に回答します。
むくみ軽減のために利尿剤を飲んでもよい?
脂肪吸引によるむくみには、利尿剤を使用しないでください。
利尿剤は体内の余分な水分を尿として排出する作用があるため、一般的なむくみには効果があるとされています。
しかし、脂肪吸引後は水分が不足して代謝が低下しやすい状態です。
そこで利尿剤を使用すると、水分が過剰に排出されて脱水症状を招くおそれがあります。
体内の水分が不足すると、ダウンタイムの回復が遅れるかもしれません。
加えて、利尿剤により腎臓に負担がかかる可能性もあります。
脂肪吸引後のむくみは時間の経過とともに解消されるため、利尿剤は使用しないようにしましょう。
ダウンタイムの痛みが辛いときの対処法は?
ダウンタイムの痛みには、圧迫着の着用や冷却が有効とされています。
脂肪吸引をおこなうと施術直後から痛みを感じるものの、次第に解消されていきます。
それでも痛みを軽減したい場合は、圧迫着を着用するとよいでしょう。
圧迫着には、脂肪吸引によるむくみや腫れなどの症状を抑える以外に、外部刺激から患部を守る役割もあります。
さらに、炎症を起こして患部が熱を持っているときは適度に冷やしましょう。
体の回復を促すために栄養バランスのよい食事を心掛け、十分に睡眠を取ることも大切です。
痛みが激しい場合はクリニックに相談して、痛み止めを処方してもらいましょう。
ダウンタイムなしの脂肪吸引はある?
皮膚にメスを入れない脂肪吸引は、ダウンタイムが比較的短いとされています。
メスを入れずにおこなう脂肪吸引には、HIFU(ハイフ)、クールスカルプティング、脂肪溶解注射などがあります。
HIFUは超音波を照射して、熱エネルギーで脂肪細胞を破壊する施術です。
一方でクールスカルプティングは、脂肪細胞を凍らせて破壊します。脂肪溶解注射は、薬液の注射により脂肪を溶かします。
上記の施術は周辺組織へのダメージが少なく、ダウンタイムも短めです。
しかし、一般的な脂肪吸引に比べて除去できる脂肪量が限られるため、見た目に大きな変化が起きにくいとされています。
また1回の施術では効果が得られにくく、効果を実感するまで複数回の施術が必要なケースもあります。
ダウンタイムの長さのみならず、効果や費用、施術回数なども考慮して、自身に適した方法を選びましょう。
脂肪吸引したら何日くらい休めばよいですか?
脂肪吸引後に休むべき日数は、部位や施術の程度により異なります。
顔や二の腕の脂肪吸引は体への影響が少ないため、接客業や営業職などの動きのある仕事でも手術翌日から働けます。
ただし、二の腕を脂肪吸引した方で仕事中に重いものを持つことがある場合は、数日休む方がよいでしょう。
お腹を脂肪吸引した際は、デスクワークであれば翌日から仕事が可能です。
しかし、お腹に力を入れると痛みが生じる場合があるため、動きのある仕事は3日程度休むことをおすすめします。
太ももを脂肪吸引した場合は、歩く、階段を上り下りするなどの日常動作に支障をきたす可能性があります。
したがって、3日程度休みをとることが無難です。
脂肪吸引により体はダメージを受けるため、無理しないように休日を確保したうえで施術を受けましょう。
まとめ
脂肪吸引によるダウンタイムは、施術した部位により経過が異なるものの、主にむくみや腫れ、内出血など症状が見られます。
脂肪吸引ではダウンタイムを心配する方が多くいますが、圧迫着の着用や患部の冷却、マッサージなどにより症状は軽減できます。
また、脂肪吸引が得意なクリニックを選ぶことも重要です。
医師の症例数、体への負担を軽減するための取り組み、体験者の口コミは、クリニックを選ぶ際に確認すべきポイントです。
自身に合うクリニックを選び、脂肪吸引で美しい体を手に入れましょう。